ぐんだらけと教育 引田小学校土曜日授業レポート②の記事のアイキャッチ画像

土曜日授業の第2回目は、小学校が夏休みに入ってすぐの7月18日。
今回は、アーティストの大和田俊さんにゲストで来ていただき、「音」をテーマにした授業を行いました。

授業のタイトルは「テレコであそぼう!」

テレコ=テープレコーダーを使って遊びながら、大和田さんの「音」に対する考え方にも触れるような、そんな時間となりました。

音を聞く、音がある

まずはウォーミングアップ。大和田さんからの「1分間黙って、この空間にある音を聞いてみよう」というお題にみんなでチャレンジです。
スタート!の掛け声で、目を瞑って耳を澄ませる子、目をキョロキョロさせながら音を探す子、それぞれです。
エアコンの音、椅子が床を擦る音、紙をめくる音。小さな咳払いや、遠くで車が走る音。授業に参加している子の3歳の弟が畳を走る音。
たった1分でも、私たちの周りには多くの音が存在していることに気づきます。
聞こえてはいるのだけど、言葉ではどう言い表していいかわからない音。エアコンの音は、ゴーーーーにも聞こえるし、ウ゛ォーーーーにも聞こえる。
どんな音が聞こえた?という質問に、「聞こえたけどなんて書けばいいかわからない」と照れくさそうにしながらも、「パタパタって足音」「風の音」など答えてくれました。

テレコを触る

さて、いよいよ今日の主役、テレコとのご対面です。

テレコ=テープレコーダーは1970年〜1980年に全盛期を迎えたオーディオ機器で、磁気テープに音声など電気信号を記録し、それを再生することができます。

はじめて目にするこの不思議な四角い箱を前に、そーっと持ち上げてみたり、耳を近づけてみたり。

カセットの入れ方、録音、再生などの基本の操作をレクチャーし、早速自分の声を録音してみます。

はじめて自分の声を録音して聞いた時の驚きは誰でも心当たりがあるのではないでしょうか。今はスマホで録画や録音も簡単にできるし、子どもたちは被写体としても慣れてるだろうから、自分の声を聞くということにあまり違和感はなかったりするのかなと思いながら様子をみていました。

すると、手に持ったテレコから自分の声が聞こえた瞬間、子ども達の表情が変わります。友達と顔を見合わせ、目を見開いて「ええ!?」というような顔をし、それまではどこか恐る恐る触っていた機材を、「貸して!貸して!」と奪い合うように録音と再生を繰り返します。「こんにちは」という自分の声が聞こえただけで大爆笑。うまく操作できず、言葉が途中で切れたり少し変な風に録音されているだけで大爆笑。そのうちに声が録音されるということがだんだん不思議になってきたのか、カセットを取り出して、どうなってるのか確認してみたり。

子どもたちが、見たことのない道具と出会い、遊び始めるという瑞々しい瞬間に立ち会うことができました。

音を探す、音を真似る、音を出す

さて、テレコの使い方をマスターしたところで、大和田さんから提案です。「今から、ぐんだら家の中にある音を探して、それを録音してみて。その音をよく聞いて、その後に自分たちの声で真似したものを録音してみて。全然似てなくてもいいから。」

2、3人のグループに分かれて、音探しの始まりです。

スタートと同時に庭に出て、裏門を開けたり閉めたりする音を録音するチームや、家の中を歩き回って柱や床を叩いたり飛んだりしてみるチーム。水の音を録音しようと手でぴちゃぴちゃとビニールプールをかき回していたのが、気が付くと激しい水の掛け合いになっています。

録った音を声で真似するのは難しく、言いながら照れてしまったり、そのうちに関係ない奇声を発して転げ回るほど爆笑したり。

子供達の様子を見ながら、「いやぁ面白い。小学生、面白いな。」と笑う大和田さん。

音を残す

録音を終えて再集合し、どんな時間だったかの報告。お互いが録ったおすすめの音を聞き合います。カセットなので、聞かせたい音を頭出しするのに苦労しながらも、その頃にはすっかり「もっと巻き戻して!」などテレコ用語を使いこなす子どもたち。

その後はマジックや絵の具を使って、録音したカセットとそのケースに色付けし、世界に1つだけのジャケ(ジャケット:音楽ソフトの表紙に印刷された写真や絵)を作ります。

色付けが終わったところで授業も終盤。最後に大和田さんからとある計画が知らされます。今日作ったみたいなカセットを、これから100本に増やして、ぐんだら家に音楽レーベルを作ろうという提案です。「レーベル…?」顔にハテナが浮かぶ子どものために、オンラインで京都に住むポピュラー音楽研究者の先生から「レーベル」についてのミニ講義が始まります。

少し難しい内容ですが、最後まで真剣に聞いてくれた子供たちでした。

これから時間をかけて引田の音を集めていって、100本のカセットにして、訪れた人が自由に聞ける場所がぐんだら家にできる予定です。

この日に作ってもらったのはその最初の4本になるカセットでした。

最後に、今日の参加者でレーベルの名前を決めようということになりました。

ところが、なんだか子ども達の元気がなくなっています。

「…おなかすいた。」

時計をみるとお昼の12時前。さっきまで大騒ぎだった子どもたちが急にダラダラし始め、レーベルの名前決めも振いません。ボソボソと小さい声でいくつかのアイディアが出て、最後は多数決で決めることに。

レーベルの名前は『ぐんだら家はらぺこレコード』

これだから小学生はおもしろい。

さて、これからどんな音が集まっていくのでしょう。

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